「魂の記憶」掲載 著 喰代 栄一 日本教文社

魂の記憶
魂の記憶から佐藤式気功を検証する

私たち人間はこの地球という惑星に生まれ、喜び悲しみとともにあらゆる経験を積み重ね、それらに学び、死んでいく。しかしその記憶を、宇宙はけっして忘れることはない。「魂」の不滅を科学的に考察するゲリー・シュワルツ博士の新理論「動的システム記憶板説」を中心として描き出される、世界と人間の新たなリアリティ。

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一度相手とつながったら、遠隔地からでも治療できる気功師

ひと昔前、中国の気功が日本を含め、世界に紹介され始めたとき、おそらく誰もが驚いたのではないだろうか。私も、ずいぶん昔、中国の気功師が一種独特の姿勢をとりながらベットに横になった患者に気を送ると、患者の手足がまるで空中を踊るように動き出す映像をテレビで見て、仰天したことがある。しかし、それはずいぶん前のことで、私はそれ以来気功のことはほとんど忘れていた。

ところが拙著『地球は心をもっている』(日本教文社)を読んだ気功師の佐藤眞志さんが、自分の気功と関係していると思うので是非会って話がしたいと、私に手紙を送ってきたのである。私は興味を感じ、後日佐藤さんにお会いして次のことを知った。

まず、佐藤さんの気功は、ふつうの気功とはかなり様相の違うものであるということです。佐藤さんが気を発するレベルが7段階あって、レベルを上げるたびに気の受け手の反応が高まっていき、レベルに応じて空中浮遊感覚や体外離脱感覚、また臨死体験でよくいわれるトンネル体験、さらに地球や宇宙の意識のようなものを感じたりするというのである。その意識が私が『地球は心をもっいる』で書いた「地球の心」(惑星心場)と同じではないかというのだ。

佐藤さんの気功を受けたある体験者は、体外離脱のような体験の後、地球の外側に何かオーラのようなものがただっているのが見え、さらに意識を集中してみると、その地球が悲鳴をあげているように感じるという。さらに佐藤さんの気を受け続けていると、第二トンネルの体験のあと、その地球の意識体のようなものから悲しみが消え、静寂と躍動感を感じるようになる。

そして、しばらくすると、宇宙の唯一絶対的な意識体というものに触れ、何も考える必要がない歓喜と無上の心境になるという。しかし、これは気功の受け手の感受性の問題もあるので、誰もがそうなるとは限らない。

私が本章で問題にしたとことは佐藤式気功のもうひとつの特徴である。それは、いったん気功師の佐藤さんに「つながれば」、あとは離れた場所でいつでも佐藤さんの気を受けることができるということだ。つまり、佐藤さんの所に行かなくても遠隔操作で気功治療が受けられるということだ。実際、佐藤さんは、患者さんがどこにいようと、その人と一度コネクトしておれば、正確にその人に気を送り届けることができる。距離や空間には関係ない。
佐藤さんが優れていると私が思うのは、彼が自分の気功の仕組みを大学などの研究者たちと共同で解明しようとしている点である。彼の遠隔気功についても、東北学院大学の木戸眞美教授とが共同で研究を行っている。ー中略ー(以後実験内容が書いてある)

この実験の趣旨は、300km 離れた所にも佐藤さんの気が届くという事実を証明するためのものだったが、それはそれとして、私は別の意味でこの実験結果に非常に興味をもっている。ピアソール博士の、「Lエネルギーが一度結びついたものは永遠に接着させる」という考えを、この実験結果が支持しているのではないかと思うからだ。

シュワルツの仮説が証明する遠隔気功の謎

シュワルツの仮説を適用してさらにいうとすれば、治療師として健康な癒しの気という情報エネルギーを送る佐藤さんというシステムと、その情報エネルギーを受けるAさんというシステムは、全体としては音叉のように共鳴しながら自己改革するひとつのシステムである。

Aさんは何度も佐藤さんの気功治療を受けているから、すでに「佐藤さんーAさん」というひとつのシステムができあがっている。したがって、そのシステムを構成するふたりが距離的・空間的にどんなに離れても関係なく作動する。

実際、佐藤さんは、「一度コネクトしておけば、気の送り手と受け手の間のコミュニケーションがとれるから遠隔治療がやりやすい」と証言する。シュワルツの理論からいれば、気功による遠隔治療ができて当然なのだ。ー中略ー(以後シュワルツの仮説で遠隔気功を解いている)

佐藤さんは宇宙は宇宙の4つの力(重力・電磁力・強い力・弱い力)の他に第5の力として「精神エネルギー」があり、これには外界宇宙から体内に入ってくるものと、内界宇宙から湧き出るエネルギーがあって、佐藤式気功は後者に関係するものだという。

また、すべての人には集合的無意識層のさらに下にある内界の大いなる宇宙とつながっているので、気功でちょっと刺激すると、その大いなる宇宙から精神エネルギーが湧きあがってくる。そのエネルギーは自己治癒力を発揮し、病気だった人も、やがて健康になるというのだ。してみると、佐藤さんは内界宇宙から湧きあがるその大いなる精神エネルギーをふんだんにうけているので、どんな病気の人とつながっても平気というのか。

「気」とは何かという問いに、今の科学は正確な答えを出すことはできない。電気通信大学名誉教授の佐々木茂美さんは「気はエネルギーである」といっている。実際に気功師が「気」を発するときに、磁気、静電気、超低周波、遠赤外線などが検出されているからだ。

それはピアソール博士のいうLエネルギーの正体なのだろうか。佐藤式気功には、さらにもうひとつの特徴がある。それは、この気功を受けると佐藤さんが「中丹田」と呼ぶツボが自然に活性化することにより、身体の免疫力が強まり、寛容と包容力が高まるということである。これは、人に対する寛容と包容力に欠け始めている現代人にとって、示唆に富むものであろう。ー中略ー

佐藤さんのいう中丹田は、まさにアナハタ・チャクラの部位の中心にある。佐藤式気功の体験者はの多くは、「ちょうど胸腺の下あたりからエネルギーが湧いてくるようだ」と証言しているという。佐藤さんは、それは「胸のなかから湧いてきて全身に広がっていくやさしいエネルギーで、他の気功と違って脳に対しては、とてもソフトな感覚でいやしていく」と主張する。これは、まさにピアソール博士のLエネルギー、あるいは心臓エネルギー学でいう通りなのではないだろうか。