下丹田と中丹田

体外離脱や意識の変容が起きる原因を探求していく過程で、丹田学という概念が浮かんできました。

下丹田と中丹田

一般的に「丹田(たんでん)」と言うと「下丹田(かたんでん)」を指し、臍から数cm離れた下腹部のことをいいます。各種健康法や武道およびスポーツなどで身体の体力増進や精神力を高める要です。

しかし、下丹田だけが丹田ではなく、もう1つ重要な丹田があります。それを中丹田(ちゅうたんでん)といい、胸腺の真下にあります。中丹田には諸説ありますが、SATOメソッド(佐藤式気功)では心に深い安らぎとゆとりを感じさせ、歓びや感謝が自然に湧いてきて、他者をやさしく包み込む深くて広がりのある丹田だと考えています。

従来、心の修行をするのに座禅や瞑想が一般的です。第三の目と呼ばれている額の中心(上丹田)に意識を向け、瞑想にふけることにより雑念や煩悩を取り去るものです。そのせいか一般的に「心」は上丹田を指すことがあります。西洋医学も脳内に心があるといいます。しかしSATOメソッド(佐藤式気功)では、心は中丹田を指します。SATOメソッドでの上丹田は脳を指しますが、精神作用というよりは脳力を開発する丹田と考えています。集中力、直感力、イメージ力は上丹田の力です

SATOメソッド(佐藤式気功)では下丹田と中丹田と上丹田の丹田バランスが特徴で、内界から湧いてくる収縮気と拡大気が外界の収縮気と拡大気をコントロールします。特殊な呼吸や集中力は不要で、副交感神経が優位な状態のおだやかな精神状態に導きます。

二つのタイプ

来院される受療者の中には二つのタイプがいらっしゃいます。

前者は体力があり、ストレスに強い体質と性格をもつタイプ の人達(長所)。
しかしこのタイプの人達は肉体的にも精神的にも感受性に欠け、病気に気づくことが遅く、 重い身体の病気になる傾向があり、結果、生活習慣病(がん・脳血管障害・虚血性心疾患)になりやすく、また、思いやりや気遣いなど精紳性が足りない部分があります(短所)。

一方、後者は逆に体力が乏しく、ストレスに弱い体質と性格をもつ人達で、感受性が高く、病気になると病気にこだわりすぎて自分を責めてしまう傾向があり、結果、免疫病(アレルギー疾患・自己免疫疾患)や心の病気へと発展していきやすかったりします(短所)。
その反面とてもやさしくいたわりの心をもち、自分のことより相手のことを気遣ったりします(長所)。

佐藤気功センターでは前者を下丹田タイプ(収縮気タイプ)といい、後者を中丹田タイプ(拡大気タイプ)と呼んでいます。

これまで来院された受療者の自覚症状をみると、体の病気や心の病気はいづれのタイプも目を酷使したり、不必要な思考の働きすぎや我慢の限度を超えることによる視床下部の機能低下によるもので、結果、自律神経・ホルモン・免疫系のバランスを崩してしまうようです。

SATOメソッド(佐藤式気功)を受療後、下丹田(収縮気)と中丹田(拡大気)と上丹田(収縮気・拡大気)のバランスが整えられ、急速に快方に向かう方が多く見られます。