自律神経免疫療法と佐藤式気功との関連
福田-安保理論で捉えている「顆粒球人間」と「リンパ球人間」の分類は、佐藤式気功では,「下丹田タイプ」と「中丹田タイプ」になります。実際、自律神経免疫療法を導入した佐藤式気功による「がん療法」は、下丹田と中丹田のバランスを整えることにより効果を発揮しています。
自律神経が免疫の主役・白血球を支配する
自律神経には正反対の働きをする交感神経と副交感神経があり、両者はシーソーのように拮抗合って働いています。
交感神経 | 副交感神経 |
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主に昼間の活動時やスポーツを行う時などに優位に働く神経 | 休息時や食事をするときなどに優位に働く神経 |
心臓の拍動を高め、血管を収縮させて血圧を上げ、消化管の働きを止めて、活動にふさわしい体調を整える | 心臓の動きや呼吸を緩やかにし、血管を拡張して血流を促し、心身をリラックスモードに整える。 さらに細胞に分泌や排泄を促す働きがあり、副交感神経が優位になると、消化液の分泌や排便が促進される |
では自律神経は白血球をどのような形で調整しているのでしょうか。白血球には大きく分けて顆粒球とリンパ球があります。
顆粒球 | リンパ球 |
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サイズの大きな細菌や死んだ細胞を食べて処理する細胞 交感神経の支配下にある | ウイルスなどの小さな異物を捕らえて処理する細胞 副交感神経の支配下にある |
交感神経の神経伝達物質・アドレナリンを受け止めるレセプター(受容体)が存在し、アドレナリンを出す交感神経が緊張すると、顆粒球が増えてリンパ球が減少 | 副交感神経の神経伝達物質・アセチルコリンを受け止めるレセプターが存在し、アセチルコリンを出す副交感神経が緊張すると、リンパ球が増えて顆粒球が減少 |
こうした反応は、生物にとって実に理にかなったことでもあります。体が活動的になっているとき(交感神経優位のとき)は手足に傷を負いやすくなり、傷口から細菌が侵入する機会が増えます。そんなときには大型の細菌を処理する顆粒球を準備しておくことが生体の防御には有利です。一方、食物を摂っているとき休息しているとき(副交感神経が優位のとき)には、口や消化管からウイルスなどが侵入してくる危険性が高くなります。こうした小さな異物は顆粒球では対処できないため、リンパ球を準備しておく必要があるわけです。
顆粒球人間とリンパ球人間
私たちは日常的に「体質」とか「気質」という言葉を使います。その定義は漠然としていますが、自律神経と白血球の働き方に視点を置くと、人間は交感神経優位型の「顆粒球人間」と副交感神経優位型の「リンパ球人間」という二つのタイプに分けて捉えることができます。つまり、顆粒球54%~60%、リンパ球35%~41%という白血球比率を基準にし、顆粒球比率が高い傾向にあれば顆粒球人間、リンパ球比率が高い傾向にあればリンパ球人間となるわけです。
実際に顆粒球人間であるかリンパ球人間であるかは、血液を調べて白血球の比率を見ればハッキリしますが、肉体的・性格的な特徴によってもある程度は判断できます。顆粒球人間の肉体的特徴は、痩せ型、筋肉質で皮膚が浅黒く、脈は早い。性格的には、男っぽく、概して攻撃的であり、意志が強くて集中力が高い短期決戦型の働き者が多いのが特徴です。
一方、リンパ球人間は、ふくよかな体型の人や女性に多く、皮膚はみずみずしく色白で、つぶらで丸い目をしています。また、ゆったりとした性格で、視野が広く、感受性も豊かである反面、やや散漫なところがあります。ものごとを推し進めるにあたって瞬発力はないけれども持続性に富んでいるのが特徴です。 (未来免疫学 安保徹 インターメデカルより抜粋)