佐藤式気功を心理療法に活用

K・Kさん 48歳 男性 カウンセラー

私は心理カウンセラーという仕事を20年弱おこなってきて、病める人の心を少しでも軽くする技法を追 い求め続けてきました。

そんな中で東京駅前の大型書店の店頭に「スピリチュアル気功」という本が平積みになっているのを見 つけました。気功については、以前から興味があったので、早速購入して読んでみました。ウツ、不安、 引きこもりなど、精神的な問題に効果があがった例が、いくつも書いてありました。

「これは、是非体験してみなければいけない」と思い、佐藤気功センターに連絡をとってみました。予 約がとれた日はかなり先だったのですが、それまで一日千秋の思い出で(笑)待ち、とうとう予約日がきま した。

閉静な住宅街の中に佐藤先生のご自宅があり、そこが佐藤気功センターになっています。ドキドキしな がら、呼び鈴を鳴らし、「どうぞ」という声にうながされ、玄関の戸をあけ、施術台のある部屋に通されました。

佐藤先生は、予想通り(!)柔らかく、おだやかな雰囲気の方でした。施術台に横たわり足裏とマッサージしていただいたあと、へそ下の丹田に置いた私の手の上に先生の手が重なります。

「先生の手は温かいなぁー」と感じましたが、私の体には何の変化もありません。おかしいなぁと思っていると突然、おなかの奥のほうから腰にかけて、温かさが湧き上がってくるではありませんか。「これが『スピリチュアル気功』に書いてあった内側から湧いてくる気なんだ」と感激してしまいました。

このあと、先生に目、頭などに手を当てていただくと、軽やかなリラックス感が広がってきました。このようにして、私の収縮気(=温かさ)と拡大気(=リラックス感)の体験が始まりました。佐藤気功の施術を2.3回と重ねていくうちに拡大気は爽やかな涼しさに変わっていき、進歩が実感できました。

佐藤先生のもとに5回通った頃には、気の重心も最初の「肩」の位置から「足裏」を通り越して「地球の中心」に下がっていました。気の重心の感覚は人によって違うでしょうが、私の場合は、体の中の気の球体が広がりながら移動する感覚です。

本当は5回以上、通院したかったのですが、佐藤気功センターのルールがあって5回で卒業なので、泣く泣く佐藤先生のもとをあとにしました。大勢の人が予約日を待っている状況なので、いつまでも佐藤先生に頼ってしまうのは良くないので、5回で卒業という決まりも大切だと思います。

このあと、ほぼ毎日、「温かい」「涼しい」「温かい」のアナログモードでの3分間自己トレーニングを毎日続けています。時間のある時には、もう少し長くやったり、デジタルモードを付き加えたりしています。

もともと私は、自律訓練法という一種の自己催眠法を高校生時代から自習してきました。これは「両腕、両脚が温かーい」「額が心地よく涼しーい」などの自己暗示(自律訓練法では公式と呼びます)を繰り返し念じるという方法で、一見、佐藤式気功の自己トレーニングと似ています。

しかし、自律訓練法によって作り出される状態は、佐藤式気功の内側から湧いてくる温かさや涼しさとは違い、腕と脚、おなかなどが全体的に温かくなったり、額が表面だけが涼しくなったりで、「湧いてくる」という感じではありません。

そして、佐藤式気功の自己トレーニングは何よりも簡単なのが特徴だと思います。何しろ「温かい」とか「涼しい」を1回だけ、ことばをいうだけ、後は起こってくる感じに、ただ注意を向けておくだけ。

私の知る限り、自律訓練法などの自己催眠法,一般の気功法の内気功,各種瞑想法などの中で、最も簡単なセルフケアの方法だといえます。それで、私の相談室に来られる方にも佐藤式気功の自己トレーニングを自宅などで行うよう進めています。

もちろん、相談室の中では、私が相談に来られる方の了解が得られれば、丹田,肩のツボなどに手を当てて、収縮気と拡大気を実感していただいています。

認知行動療法,イメージ療法など、従来の臨床心理学的技法のみよりも、佐藤式気功を組み合わせることにより、相談に来るかたの改善も早まっているようです。特に遷延化した(つまり長引いている)うつ状態には有効という手ごたえを得ています。また、パニック障害(電車の中、雑踏の中などで、死ぬほどの不安感が発作的に起こってくる障害)のかたも佐藤式気功の自己トレーニングをやっていただいているうちにパニック発作が起こらなくなっていく例がいくつもありました。

このように仕事で活用し、自分でも自己トレーニングで心身の状態を整えるようにしている間に半年以上が経ち、上級者一日体験セミナーに参加させていただく日が来ました。

久しぶりに、佐藤先生のお宅にあがらせていただいただけで、心身がなごみ、「あーここにはすがすがしい気が流れているなー」と感じました。

参加者のかたがたとペアを組み、お互いに外気(佐藤式気功は中国式気功と異なり、身体の内外両方から気が流れていくので内外気功というほうが正確でしょうが…)をかけ合う練習はお一人お一人の個性が違うように、体験も異なり、とても面白かったです。

セミナー後の、コーヒをいただきながらの懇親会では、佐藤先生のお人柄どおりの和気あいあいとした雰囲気の中で、楽しく語り合うとともに、皆様の熱心さに襟を正す思いにもなりました。

時々は、このような佐藤式気功の体験者の方がたと集まりを持つことの有意義さを感じた一日でもありました。