SATOメソッドと視床下部(脳細胞)との関係
視床下部は5感や第6感から来る入力情報を取捨て選択し、出力として自律神経系、内分泌系、免疫系に伝達するものと思われる。SATOメソッド(佐藤式気功)が顕著に効果を発揮するときは、視床下部(後頭部)の気の重心が足裏に下がった時である。逆に視床下部の気の重心が頭まで上がると大抵体や精神に不調を訴えることが多い。一部図解雑学ストレス 渡辺由貴子・渡辺覚 ナツメ社 心と体の対話 神庭重信 文藝春秋より抜粋
1.下丹田タイプと中丹田タイプ
当センターに来院される受療者は、性格的・体質的に捉えると「下丹田タイプ」と「中丹田タイプ」に分けられる。
前者は、体力がありストレスに強いタイプである(長所)。しかし、このタイプは肉体的にも精神的にも感受性に欠け、病気に気づくことが遅く重い体の病気、癌・虚血性心疾患(心臓の器質的病気)・脳血管障害(脳の器質的病気)になりやすい(短所)。
一方、後者は、逆に体力が乏しくストレスに弱いタイプである(短所)が、反面とてもやさしく労わりの心をもち、自分のことより相手のことを気遣ったりする(長所)。しかし、軽微な病気でも拘りすぎて自分を責めてしまう傾向がある。結果、精神的ストレスが原因で心身症(胃潰瘍・十二指腸潰瘍・気管支喘息・アトピー性皮膚炎など)や神経症(不安神経症・強迫神経症など)及び鬱病(心因性鬱病)さらには自己免疫疾患になる可能性がある。
2.目の酷使・無駄な思考
いづれのタイプも大きく2つの原因により病気に発展するものと思われる。
- 目の酷使(本の読みすぎ・テレビの見すぎ・パソコンのやりすぎ等)
- 不必要な思考(拘り、執着、囚われ、心配、不安、イライラ、緊張)の働きすぎ
これらの原因により、視床下部という脳細胞の働きに障害が生じると考える。視床下部は、五感や思考から入ってきた情報に対して良い情報か悪い情報かを取り捨て選択してくれるが、それができなくなると体に障害が出てくる。特に,五感の内、視覚情報は70%を示すと言われるが、目を酷使することは目そのものを疲れさせるだけではなく、体全体に悪影響を与えるのである。
3.視床下部は自律神経・ホルモン・免疫系をコントロール
なぜでしょうか。実は視床下部は自律神経・ホルモン(内分泌)・免疫系と深い関係があったのである。
- 自律神経系では、交感神経が過度に緊張することにより神経末端からノルアドレナリンが多量に放出され、血圧が高くなったり血管が収縮して血流障害(虚血)が起きる。
さらに顆粒球から多量の活性酸素が放出され、粘膜を傷つけ組織に炎症を引き起こす。 - 内分泌系では、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が多量に分泌され、リンパ球の働きを強力に抑制し免疫力を低下させる。
また副腎髄質ホルモン(アドレナリン)が多量に放出され、交感神経の緊張にさらに拍車がかかる。 - 視床下部の働きが低下すると副交感神経が過度に緊張することもある。
血圧が低くなることにより血管内にうっ血が起こる。
リンパ球が過剰反応することにより、アレルギー性疾患や自己免疫疾患(膠原病など)が発症する。
さらには、脳内のセロトニンの放出減少により鬱病になりやすい。
5.SATOメソッドによる施療
SATOメソッドには、内界から湧いてくる収縮気と拡大気があり、お互いの特徴を活かすことにより身体と心の病気が回復することが出来る。収縮気は身体のエネルギー代謝を高め体力を増進し、精神的にはやる気を起こし積極的な気持ちにさせる。一方、拡大気は身体のエネルギー代謝を抑え、極力基礎代謝まで下げる。よって熟睡効果を高め、一日の体の疲れを取ってくれる。精神的には安らぎや穏やかな気持ちにさせる。
現代の病気は、身体の病気も心の病気も身体のエネルギー代謝を高めるだけではよくならない。むしろエネルギー代謝を抑え、一旦身体と脳を休眠させて充分に体と精神を開放させることで、結果的に自然治癒力を高めることが出来る。SATOメソッド(佐藤式気功)の優れている点は、穏やかな方法で身体のエネルギー代謝を高めたり抑えたり出来ることである。
6.アナログモードとデジタルモード
人間の脳は三つの役割を持つと言われそれを人間脳・動物脳・植物脳とした。
- 人間脳 … 知力と想像力を司る
- 動物脳 … 感情脳ともいわれ感情の喜怒哀楽を司る
- 植物脳 … 生命機能を司る
このような三つの脳に対してアナログモードとデジタルモードがどのように作用するか考えてみた。
まずアナログモードが働くと第一に動物脳と植物脳が癒され、回復すると人間脳も徐々に癒されてくる。
一方、デジタルモードは人間脳に直接作用するので、アナログモードで人間脳と動物脳と植物脳が充分癒されると瞬時に三つの脳がバランスよく働く。感覚的には、頭がクリアになり思考をいくら働かせても雑念が湧いてこない。体も心もシャッキとしてしっかりした状態になる。結果、体と感情が安定し、さらに知力と想像力が向上し、高度な才能と人間性が発揮される。しかし、人間脳と動物脳と植物脳が充分癒されない内にデジタルモードをコネクトしても顕著な効果は発揮されない。むしろ時間がかかってもアナログモードで三つの脳を癒したほうが良い。最近は浄化・再生モードが誕生したことにより人間脳・動物脳・植物脳が従来のアナログモードよりも早く解放され、デジタル的効果を発揮することができるようになった。