外気功がスピリチュアルな価値観に及ぼす影響について

外気功がスピリチュアルな価値観に及ぼす影響について

研究論文
立教大学コミュニティ福祉学部紀要第8号(2006)より抜粋 

*濁川孝志(立教大学)
安川通雄(専修大学)
大石和男(専修大学)
佐藤眞志(佐藤気功センター)

(立教大学コミュニティ福祉学部)

スピリチュアリティと全人的QOL

医療や公衆衛生の進歩によって伝染病や乳児死亡率が大幅に減少した結果、現在の日本は世界一の長寿国となった。しかし一方で世相に目を向けると、青少年犯罪の凶悪化、ニート、引きこもり、3万人を越える自殺者など“心の病”が関連するとしか思えないような社会問題が多発している。これはPIL研究会が指摘するように、これまで我々が歩んできた日常的な衣食住・蓄財に関わる欲望の充足、すなわち物質的な価値観ばかりが注目された結果として、生活水準は向上し物質的欲求は満たされつつある一方で、生きる意味や目的意識が失われた結果なのかもしれない。このような世相を背景に、現在、物質至上主義的な社会における全人的QOL (total QOL) の希求、つまり「生きがい」や「信念」などスピリチュアルな側面も含めた総合的な生活の質の向上を志向する動きが起こっている。